書評

持続的幸福度と5つの尺度について

今年読んだ300冊の本の中でも1番刺さった本が「ポジティブ心理学の挑戦 “幸福”から“持続的幸福”へ」でした。

この本の何が良かったかというと、より良い人生を送るための考え方でなんとなく自身の中にあった概念をより腹落ちする形で言語化されていたという側面が大きかったのだと思います。

ポジティブ心理学が追求する持続的な幸福について

「良い人生を送るには持続的幸福度を増大することが重要」であり、「持続的幸福度を5つの尺度で表す」という概念でした。

持続的幸福度の尺度(PERMA)

持続的幸福度は以下の5つの要素で構成されており、それぞれの要素は高めることが可能であり、そのための方法も開発されています。方法についても後述します。

  • ポジティブ感情(P:Positive Emotion)
  • エンゲージメント(E:Engagement)
  • 意味・意義 (R:Relationships)
  • ポジティブな関係性(M:Meaning)
  • 達成感 (A:Achievement)

「ポジティブ感情」と「意味・意義」・「達成感」

「ポジティブ感情」とは、楽しさ、嬉しさ、快適さ、充実感、畏敬の念、愛情など、ポジティブな感情を抱くことです。一般的に幸福という言葉を聞いて真っ先に思い浮かべるのが「ポジティブ感情」ではないかと思います。

「ポジティブ感情」について興味深かったのが、「ポジティブ感情」を高めることで得られる持続的幸福度は、「意味・意義」や「達成感」などを高めることで得られるそれよりアッパーが低いものであるということでした。これを意識することによって、日々の選択や行動に大きな影響を与える気づきだと感じました。

「ポジティブ感情」と「エンゲージメント」の特徴

  • ポジティブ感情とエンゲージメントはウェルビーイング(人としての「良い状態」)に寄与する
  • そのもののよさのために多くの人が求める。必ずしも他の要素を得るために求めるのではない
  • 他の要素からは独立して測定される

「意味・意義」(自分よりも大きい存在に属して仕えること)の特徴

  • ウェルビーイングに寄与する
  • たいてい、そのもののよさのために求められる
  • 意味・意義は、ポジティブ感情やエンゲージメントとは互いに独立して定義され、測定される。また、他の二つの要素、達成と関係性からも独立している

「関係性」の特徴

  • 他人に親切にすることがウェルビーイング度を一時的に向上させる唯一最も信頼できる方法

持続的幸福度を高めるための実践

感謝の訪問

  • お世話になって人に感謝の気持ちを表す手紙(300語の感謝状)を書き、その人を訪問して手紙を読み上げるというもの
  • これをやることで、感謝をした人、受けた人、そしてお互いの関係に絶大なポジティブな影響を与えた

うまくいったことエクササイズ

  • 1日の終わりに10分間
  • その日にうまくいったことを3つとそれがどうしてうまくいったのかを書き出す

持続的幸福度を高めてより良い人生をおくるために

意義の深い事業に日々全力投球して達成感を得ていくことで、自身にとって最高な1年を更新し続けて過ごせるようにしていきます。

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「ポジティブ心理学の挑戦」の本はこちら

ポジティブ心理学の挑戦 “幸福”から“持続的幸福”へ

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『成功する起業家は「居場所」を選ぶ』読書メモ

私は昨年2018年は約200冊の本を読み、今年は300冊以上の本を読みます。

せっかく読んでいるので、良かった本はアウトプットも兼ねてメモをこちらに書き記していきます。

今回読んだ『成功する起業家は「居場所」を選ぶ 最速で事業を育てる環境をデザインする方法』は、面識はないものの著者の馬田隆明氏からは、ブログSlideShareのスライドを通じていつも大変勉強させていただいており、そんな馬田氏の新著ということで気になって即読んでみたところ、案の定良質な情報が随所に散りばめられた良書でした。

そんな中でも特に刺さった箇所を私のメモを交えてご紹介させていただきます。

「よく考えられた練習」の6つの条件

練習の効果を高めるにはどうすれば良いでしょうか。

以下の6つの条件を満たす「よく考えられた練習」を行えば効果を高められます。

・教師がいる
・練習課題が常に少し難しく、自分のコンフォートゾーンを抜け出す 
・具体的な目標がある 
・フィードバックがある 
・心的イメージとの相互影響 
・地道な改善

この6つの条件は、マルコム・グラッドウェルの著書で有名になった「1万時間の法則」の基になった研究を行った心理学者アンダーソン・エリクソンによって挙げられたものです。

「よく考えられた練習」と「1万時間の法則」

ある分野で超一流を目指すにはどうすれば良いでしょうか。

「よく考えられた練習」と「1万時間の法則」の組み合わせることで、超一流の域に達することに大いに役立ちそうです。

「よく考えられた練習」+「1万時間の法則」→「超一流」

自由面接よりも構造化面接

人間が持つバイアスを極力減らしてより効果的な面接を行うための手段として、構造化面接があります。

構造化面接については今後学んで実践していきたいと思います。

エフェクチュエーションの理論

エファクチュエーションの理論も私にとっては目新しく、大変興味深い理論でした。

エフェクチュエーションの理論では、熟達した起業家の思考には次のような5つの原則があると指摘されています


●「手中の鳥」(BirdinHand)の原則:目的主導ではなく、手段主導。完璧な機会を待たず、手持ちの今すぐ使える手段で行動を開始する。

●「許容可能な損失」(AffordableLoss)の原則:利益ではなく、損失の許容可能な範囲でコミットする。プラスなことを予測して判断するのではなく、起き得るマイナスを受容可能かどうかで機会を判断する。

●「クレイジーキルト」(CrazyQuilt)の原則:コミットする意思を持つ信頼できる人たちと協働してパートナーシップを作る。

●「レモネード」(Lemonade)の原則:既存の目標に拘束されることなく、目標に対しても柔軟でいる。偶然や驚きを悪いものとして
捉えず、機会として捉えて活用する。

●「飛行機の中のパイロット」(Pilotintheplane)の原則:機上のパイロットのように、不確実な状況でも臨機応変に対応する。未来を予測するのではなく、未来を決定する要因をコントロールし、機会を生み出す。

これら5つの条件は、私の短い起業家としての経験を振り返ってみても、これからより高いレベルで求められる思考だなと感じました。

仲間集めでは「役割」より「相乗効果」を意識して

スタートアップにおける仲間集めについても、鎌田氏と馬田氏の対談パートで非常に共感する内容がありました。

鎌田

お互いに尊敬できて、「この人といると自分の力が伸びる」と感じられる人とチームを組めれば、とてもいいと思います。起業家がよくやってしまうミスは、「役割」だけを考えて仲間を集めることです。

最近だと、「自分はプログラミングができないから」と、エンジニアを共同創業者にするケースが非常に多い。またはその逆に、「自分はビジネスの経験が少ないから」という理由で、事業開発の経験が豊富な大人を招き入れるケ ースもよく見かけます 。

これはこれで大事な要素ですが、会社が成長していくと共同創業者の役割は徐々に変わっていくものです。ですから、特に共同創業者は、役割だけで選んではダメ。お互い成長を促し合う関係を築けそうな仲間を選ぶべきでしょう。

役割が分担できていることももちろん大切ですが、お互いに尊敬できて長期で相乗効果を生み出していける関係を築けるかということはとても大事だなあと感じています。

以上こちらのブログでは1記事目となる読書メモの記事でした。

今後読書メモ以外にも書いていきます!